樹木葬とは、墓地において従来通り墓石を墓碑として用いるのではなく、樹木を墓碑として用いる葬儀の方法です。散骨の一形態とされ、日本においては散骨自体が法律(刑法190条遺棄罪)に該当し違法ではないかという議論もありましたが、法律上、骨を撒くことは禁じられていないため、条例で規制されている場合を除いて許容されています。
そのため、自然に生えている樹木の根元に細かく粉末状にした遺骨を撒く散骨の方法をとる場合には、条例の規制に反せず、周りに配慮をして行えば自由とされます。
ただ、遺骨を埋葬してその上に樹木を植えるという方法をとる場合はどこに埋めても自由というわけではありません。この場合は、墓地・埋葬等に関する法律において墓地として許可を得た場所に埋葬した上で植樹をしなければなりませんので注意が必要です。
このような樹木葬は、自然との共生が重要視されるようになってきたことを受け、樹木と共に自然の一部に還るという面から、現在人気の高いものとなっています。また、世界的にも植樹によって墓地等の緑地化をすることが、地球環境改善のために役に立つということから注目を浴びているようです。
樹木葬は埋葬方法として、世界各地で古くから行われていた方法ですが、日本では墓石を立てるお金がない場合やペットの埋葬、また航空機事故などでご遺体が散乱した場所に樹木を植え、大きな森を作る事で死者の霊を慰めるために行われてきた経緯があり、余り一般化していたとはいえませんでした。
ただ、1999年に人工物を使わず、山の自然を守りつつ墓地として使用するというコンセプトで、岩手県一関市に樹木葬墓地が登場したことに代表されるように、日本でも従来の意味とは異なった形で注目を浴びてきています。
さらに、樹木葬が注目されているのは、上述した地球環境に関する事柄だけでなく費用が安くあがるというところにもあります。
葬儀を行う側の観点からは、分譲墓地を用意する必要がなく、お金をかけて墓石を用意する必要もないことから、費用が安く済むと言えます。
また、墓地を提供している側の観点からは、植樹葬専用の墓地を新たに作る必要がなく既存の敷地を利用すればよいので開発費用が抑えられるといった面で費用が安く済むといえます。
このように、自然に還り地球環境保護にも役立つ樹木葬は、エコ葬儀ということもでき、費用面でもご遺族の負担が少なくなる点で、今後注目されていく葬儀スタイルであると思われます。
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